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水道用語収録リスト:屋内防水施工

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屋内防水施工
屋内防水施工は、水道設備や給排水系統を含む建物内部で発生する水漏れや浸水のリスクから、建築物の構造や内部設備を保護するために不可欠な工程である。特に、機械室、受水槽室、ポンプ室、浴室、厨房、トイレ、洗面所などの水使用頻度が高い部屋では、床面・壁面における防水処理が建物の長寿命化と安全性に直結する。水道関連施設では、水が常に流れ、貯まり、圧力を伴って移動するため、わずかな隙間や劣化部分からも水が漏れ出し階下漏水や躯体損傷といった深刻な問題へ発展する可能性がある。これらを未然に防止するためには、計画的で精度の高い防水施工が必要であり、施工後も適切な維持管理が求められる。

1. 対象となる屋内防水の範囲
屋内防水施工の対象範囲は多岐にわたるが水道関連に絞ると以下のような空間・設備が該当する。
・機械室(給水ポンプ、増圧ポンプ設置箇所)
・受水槽、高置水槽室(タンクの周囲や床)
・浴室、シャワールーム(ユニットバス以外の防水床仕上げ)
・トイレ、洗面所(特に公共施設や店舗では必須)
・厨房(排水量が多く油や薬品による影響も考慮)
・マンションやビルのPS(パイプスペース)周辺
特に、水の存在が前提となる空間では、局所的な防水処理では不十分であり床全体を一体的に防水する「全体防水」の考え方が必要である。
2. 屋内防水施工の工程と技術的留意点
屋内防水施工には、以下のような基本工程がある。施工箇所や仕様によって多少前後することもあるが以下の流れが標準的である。
●下地調整
コンクリートやモルタル下地のひび割れ、段差、ピンホール、レイタンス(弱層)などを除去・補修し、密着性を確保する。下地が不良であると、防水層が浮きや膨れを起こし最終的に漏水の原因となる。
●プライマー塗布
防水材と下地との接着性を高めるため、専用のプライマーを均一に塗布する。プライマーは使用する防水材の種類によって適合品が異なるため、施工仕様書に基づいた選定が重要。
●防水層の形成
ウレタン防水材やFRP防水、塩ビシート防水、ゴム系防水材など、屋内用途に適した材料を用いて防水層を構築する。水道設備まわりでは、配管の立ち上がりやスリーブ周辺など複雑な形状が多く、細部の処理に高度な技術が求められる。特に床と壁の取り合い部分(立上り部)は漏水リスクが高く入隅処理や補強クロス併用による施工が推奨される。
●トップコート仕上げ(必要に応じて)
紫外線劣化の心配がない屋内では必須ではない場合もあるが耐摩耗性や清掃性を高める目的でトップコートを施すケースもある。公共施設や厨房などでは耐薬品性や耐油性のあるコーティング材を使用することが多い。
3. 使用される防水材料の種類と特徴
屋内防水で一般的に使用される防水材料は以下の通りである。
●ウレタン系塗膜防水
最も多く使われており、複雑な形状にも対応しやすい。塗布することで継ぎ目のない防水層が形成され、メンテナンスも比較的容易。適切な厚み(2mm以上)と重ね塗り工程が必要。
●FRP防水
強度が高く、耐久性に優れている。浴室や厨房など、耐水性・耐薬品性が求められる場面で使用されるが、硬化後は伸縮性が少ないため、構造体の動きには注意が必要。
●塩ビシート防水
シート状の防水材を床に貼り付けていく方式。均一な厚みが得られる反面、立ち上がり部や複雑な箇所への対応には限界がある。接合部処理の品質が施工精度に直結する。
●ゴム系防水
柔軟性が高く下地の動きに追従する。主に小規模な設備や簡易的な防水で使われるが、水道施設でも一部に採用例がある。
4. 注意点と施工上のリスク管理
屋内防水施工では、以下の点に特に注意する必要がある。
・水勾配の確保: 排水口へ向かう水勾配が不十分だと、水たまりができ最終的に防水層の劣化や臭気、カビの原因となる。
・配管の貫通部: 配管スリーブや壁貫通部からの漏水は非常に多いためしっかりとシーリング・防水処理を施す必要がある。
・施工環境の管理: 湿度が高すぎる・換気が不十分・気温が低いと塗膜防水の硬化不良や接着不良が発生しやすくなる。
・施工中の防水層保護: 施工完了前に設備業者や他工種が乗り入れると防水層に傷や穴が開くリスクがある。養生を徹底すること。
5. 保守・点検と長期的な維持管理
屋内防水は施工して終わりではなく定期的な点検と補修が必要である。とくに水道関連施設では、振動や水圧の影響を受けやすく年月とともに防水層に微細な亀裂や劣化が生じる。
・年に1回以上の目視点検(剥がれ、膨れ、シミ等の有無)
・排水口周辺の清掃・点検
・漏水があった場合の原因特定と部分補修または再施工
これらの点検と整備を怠ると見えない部分で水が広がり建物全体の劣化スピードを早めてしまう。
6. 終わりに
屋内防水施工は、水道関連の機能性を維持するうえで非常に重要な役割を果たしている。設計段階から詳細に検討し現場の施工精度を確保することで長期間にわたって安心できる水環境が構築される。建物の用途や使用状況に応じて適切な防水材と工法を選択し確実なメンテナンス体制を整えることが健全な施設運営への第一歩である。